認知症の祖母のために貼紙&写真! 介護をラクにしよう
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最終更新日:2019/11/12
家事・生活
もうすぐ敬老の日ですね。祖父母へのプレゼント選びは、結構難しいです。
私はよく、羽織るものや靴下などを贈っていました。
そんな私の祖母は認知症。
症状は、何度も同じことを聞く、家族の名前を忘れる、怒りっぽくなるなど…。徘徊したり、暴れたりしないだけ、うちは軽いほうかも知れません。
そんな認知症について、自分なりに調べて実践している対応方法をご紹介します。
貼紙をする
介護で大変な中、同じことを何度も説明するのがイヤになる人も居るでしょう。
そんな時、役に立ったのが、貼紙や、メモです。
もちろん、小さなメモに書いたって、それを見ること自体、すぐ忘れるので、無意味です。
大きめの紙に大きめの文字で書いて壁に貼るのです。
「おじいちゃんは5年前に亡くなりました。家に帰っても居ません」という貼紙をしたこともあります。
祖母は、老人ホームに居ながら、度々「おじいちゃんのご飯を作るために帰らなくちゃ」と言っていたので。
聞かれる度に「もう居ないんだよー」と答えてあげるほうが親切かも知れませんが、長い介護生活では、家族の負担も減らしていくことが大事です。
それに、後述しますが、いちいち否定しないことも大事です。
義祖母も認知症ですが、義祖母が入院した時には
「ここは○○病院です。ミヨコさん(祖母の名前)は、○月○日にこけて骨折して入院しました。
毎日、サキコとミキコが交代で来るから安心してください」
と大きな字でA4サイズに印刷したものを渡しました。
義祖母は、眠って起きる度に、手元に置いてあるその紙を読み、安心してまた眠る…というパターンを繰り返していたと看護師さんから聞いたので、役に立ったようです。
認知症の人が、急に、病院というガラリと環境の変わった場所に置かれたら、混乱してしまいます。
でも、手元に事情説明が書いてあれば、すべては理解できなくても、ある程度は納得できます。
誰だって、自分が今、どこに居て、何をしているか分からなくなったらパニックになりますからね。
そして、何もない白い天井や壁を見ていると、いろいろ考えてしまいますが、手元に読めるものがあれば、気も紛れるでしょう。
写真を貼る
家族の顔写真と名前の入った表も作って、壁に貼りました。
それを見て思い出してくれなくても、飾ってある写真の一つだと思ってもらえればいいと思いました。
病院や老人ホームの殺風景な壁を見ていると、寂しくなるようだったので、いろんな写真を印刷して壁に貼りました。
パソコンだったら、写真サイズでなくとも、A4サイズにたくさんの写真を印刷してあげることもできますよね。
デジタルフォトフレームにたくさん写真を入れてあげることもできます。
認知症の人には、最近の写真からだんだん若い頃に遡っていくように写真を見せるといいし、昔の話をする回想法もいいようです。
シールを貼る
義祖母に会う時は、私は、おみやげにお菓子を持って行ったのですが、翌日になると「部屋にお菓子があるの。なんでかしら?」と娘の義母に電話をかけてきたそうです。
それ以降、お菓子には「○月○日 りほこからです」と書いた大きめのシールを貼るようにしました。
すると、電話をかけて聞いてくることはなくなったそうです。
マスキングテープにマジックで書くのもいいでしょう。
お菓子の袋そのものに書くのもいいですが、色が見辛いと気づいてもらえないので、できれば大きめの白いシールに書いたほうが分かりやすいです。
否定しない
義祖母は「ご飯をもらっていない」と訴える、認知症の人によくあるパターンのことを言い始めました。
「ここの病院は、朝ご飯もくれないのよ。ひどいと思わない?」と怒るのです。
その時は否定せず、「そうですね、ひどいですねぇ。お腹すいてますか?」と尋ねました。
すると「別に空いてないけど」と義祖母は言いました。
そこで「空いてる」と言われたら困るのですが、とにかく認知症の人に対しての会話は「否定しないこと」がポイントです。
祖母が「おじいちゃんが家で待ってるから帰らないと」と言った時も、「そうねぇ、でも、おじいちゃんのご飯は私が用意してきたから大丈夫よ」と答えます。
「何言ってるのよ、おじいちゃんは5年前に亡くなったでしょ」と否定してはいけません。
自分の名前を間違って呼ばれても、いちいち否定しないほうがいいでしょう。
表情を合わせる
認知症の人に対する態度で重要なのは、表情を合わせることです。
本人が「ご飯も食べさせてもらってないわ!」と怒っているのに、こちらがニコニコして「そうねぇ、ひどいわねぇ」と言っても、本人は気持ちが伝わっていないと悲しくなります。
本人が「毎日一人にされて寂しい」と悲しんでいるときに、こちらがニコニコしては、バカにされたような気がしてしまいますよね。
プロの方たちは、ニコニコ接するのが習慣になっていて、笑顔をやめて接するのが難しい人もいるようです。
認知症の人の話を聞いてあげるときは、本人の表情に合わせて、悲しい顔をしたり、困った顔をしたりするのがいいでしょう。
私もそうしていました。
最後に
私が関わったのは祖母であり、そのメインのお世話も私がしていたわけではないため、私は、介護の本当の大変さを知っているとは言えません。
でも、私のように、認知症の身内と軽い関わりを持っている人も多いことでしょう。
尽くすのも愛情ですが、介護は長期間に及ぶので、手抜きできるところは手抜きして、家族が疲れてしまわないようにしましょう。