一式 二式 三式なんて言い方はナシ!契約書や見積書の”一式”の使い方
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最終更新日:2020/10/17
言葉
私は仕事で、書類をたくさん作ります。
そして、その書類の書き方で「一式」というのをよく使います。
契約書や見積書にも「一式」という表現はよく出てきますよね。
「二式」「三式」なんて使い方する?
私は、不動産関係の書類を作成し、その不動産関係の書類を一冊のファイルにまとめます。
ただ、たまに、同じものを2冊、3冊と作ることがあります。
その場合、送付状にはついつい「○○関係書類 一式」ならぬ「二式」「三式」と書きたくなってしまいます。
が、それは間違いです。
「一式」とは全部ということ
「一式」とは、「全部」「ひとそろい」という意味です。
工具一式、礼装一式、布団一式…などなど、細かい付属品も含めて全部という意味で、便利ですよね。
「布団一組」だと、枕と掛け布団と敷き布団のことかなと思いますが、「布団一式」となると、枕・毛布やシーツなども含まれている感じがします。
「一切」とは言っても「二切」とは言わない
「一切」(いっさい)とは、「すべて。全部。残らず」という意味です。「一切合切(いっさいがっさい)」「一切関係ありません」「酒は一切飲まない」「仕事の一切を任せる」などと使いますが、「二切」(にさい)、「三切」(さんさい)などとは言いませんよね?
そう考えると「二式」「三式」が誤りだということが理解しやすいと思います。
また、「佐藤一家」「鈴木一家」という言い方はしても「二家」「三家」という言い方もしません。
「一家」は「一つの所帯。一つの家族」という意味です。
「1式」と書いてもいい?
「一式」を漢数字ではなく、「1式」と書いてもいいのでしょうか?
「一切」や「一家」などと同じと考えれば、「一切」は「1切」とは書かないし、「一家」も「1家」とは書きません。
「一式」も「1式」とは書くのは誤りです。
複数ある場合は「二式」「三式」じゃなくて、どう書く?
私の場合、同じ書類が複数ある場合は、「2部」「3部」としています。
単位が不明なら「2」「3」と数値だけでもいいのではないでしょうか。「二式」「三式」と書くのだけはやめましょう。
2セット、3セットでもいいですね。
「○○一式: 数量3」という書き方もあります。
同じものでも、少し異なる「正本と副本」なら「正本副本: 各一式」という書き方もできます。
SNS上の意見など
SNSで下記のような意見がありました。
漢字と数字で意味が違ってくるのだと考えられる。「一式」という言葉は数の数え方ではなく一揃いという意味なので、二式三式と数として扱うのはおかしいけど、「1式」という表記なら「1セット」というニュアンスになって、単位として成立すると思いますが、どうなんだよォー!国語の先生よォーッ!?
— 畠山 優介 (@ysk_a_boy) 2013年4月23日
最後に
最近、職場の人が2セットという意味で「二式」と使ってしまったと言っていました。
違和感のない人も居るかも知れませんが、厳密には間違いなので、仕事では避けたい表現ですね。
私も最初は使いそうになって、調べたぐらいです。
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