紅一点の意味由来は? 逆の場合は何と言う? 女の中に男が一人の状態を表す言葉は?
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最終更新日:2022/05/09
言葉
紅一点という言葉はよく使いますが、紅一点の語源は何でしょうか? また、その逆の言葉はあるのでしょうか?
2016年9月放送の「グッド!モーニング」(テレビ朝日)で出題され、気になったので調べてみました!
紅一点の由来となった花は?
ザクロです。
紅一点の由来となった花が、なぜザクロなのかと言ったら、ザクロはひときわ目立つ紅色だからです。
紅一点の意味・由来
紅一点は、中国の王安石(おうあんせき,1021年〜1086年)の詩『詠柘榴(ざくろをよむ)』の「万緑叢中紅一点(ばんりょくそうちゅうこういってん)」の言葉に由来します。
- 万緑 = 一面の緑
- 叢中 = 草むらの中
- 紅一点 = 紅色の一輪の花(ザクロ)
という意味で、「一面の緑の中に、一輪だけ咲く紅色の花」というのが本来の意味です。
日本では明治以降、「多くのものの中で一つだけ異彩を放つもの」の意味として用いられました。当初は、「男性の中の女性」という意味ではなかったんですね。
現在でも、「多くのものの中で異彩を放つもの」という意味もありますが、主に「男性ばかりの中に女性が一人だけ居る」ことを指す人が多い印象です。
ですから、前者の意味で使って、目立っている男性に対して「紅一点ですね!」と言ったら、うまく伝わらないかも知れませんね。
紅一点の逆の言葉は?
紅一点の反対、つまり、「女性ばかりの中に男性が一人」の時は、なんと言うのでしょうか。
とくに、そういう言葉はありません。
「紅一点」は、男社会を前提にした言葉なのです。
「一面の緑の中に咲く一輪の赤い花」という意味を反対にして、「緑一点」と表現する人も居ますが、後付けに過ぎません。そのほか「紅」のイメージを反転した「黒一点」「青一点」も同様です。
男性優位の社会では、男であることは「普通のこと」で、女であることは「特別なこと」です。「女流作家」とは言っても「男流作家」とは言いませんね。
強いて「紅一点の反対の言葉」を挙げるなら、くだけた感じでは「ハーレム」と言ったりしますね。
ハレム(ハーレム)というのは、イスラム教国の王室や上流家庭の、女性専用の部屋のことです。後宮。近親者以外の男性の出入りが厳しく制限されていました。
そのようなことから、女性ばかりの集団の中に男性が1人いるような状態のことを「ハーレム状態」と言うことがよくあります。
アニメやマンガなどで「ハーレム状態」と言う場合は、複数の女性に囲まれ、「好かれている状態」を指すようなので、好意が伴わない場合は、ハーレムとは言わないのかも知れませんね。
そういえば、紅一点の逆を「逆ハーレム状態」と言うこともありますね。
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最後に
言葉の由来一つとっても、世界は男社会なのだということが分かります。
現代はだいぶ変わってきているとは言え、歴史上は長いこと、男社会だったということなのでしょう。
とは言え、もともとの意味としては「とくべつ異彩を放つもの」という意味なので、とくに、男性女性を指していたわけではありません。ただ、女性が社会に出始めた頃は、それだけ目立っていたということなのでしょう。
今後、紅一点の逆の言葉が生まれるでしょうか?
男女平等の社会が進めば、きっと、生まれないのでしょうね。男女を意識しないので。
「逆の言葉が生まれる」というよりは、「女性の中に男性一人」の状態でも「紅一点ですね」と言っていいという認識が広がれば、本当の意味で、男女平等なのかも知れません。
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