ヴィジュアル系音楽雑誌SHOXX廃刊? 音楽専科社破産の理由

公開日: : 最終更新日:2016/09/23 トレンド

2016年9月20日、音楽専科社が事業停止し、自己破産申請したというニュースが流れました。SHOXXやPick-up Voiceを愛読していたバンギャや声優ファンが嘆いているそう。

音楽専科社が刊行していた雑誌はどうなるのでしょうか。

音楽専科社とは

音楽専科社(おんがくせんかしゃ)とは、ヴィジュアル系専門音楽雑誌「SHOXX」、アニメ声優情報誌「Pick-up Voice」などを発刊していた出版社です。

ほかには「ARENA37℃」(J-POP専門誌)や、「Cool-up」(男性俳優情報誌)、「IMADOKI!!」(総合ガールズ誌)なども定期発行していました。

「SHOXX」とは

「SHOXX」(ショックス)は、ヴィジュアル系専門の音楽誌。ヴィジュアル系バンドが一般に認知され始めた1990年10月に創刊。

コンセプトは「VISUAL & HARD SHOCK MAGAZINE」。

ヴィジュアル系専門雑誌は『Stuppy』や『Cure』、『ROCK AND READ (RR)』などありますが、なかでも『SHOXX』はヴィジュアル系専門誌を代表する有名な音楽雑誌です。「ヴィジュアル系」という言葉を定着させたと言われる雑誌でもあります。

バンギャとは

よく知らない方のために説明しておくと、バンギャとは、バンギャルの略で、ヴィジュアル系バンドの熱心なファンの女性を指します。 ヴィジュアル系バンドのファンの通称・総称として使用されることもあります。 

「Pick-up Voice」とは

 Pick-up Voice(ピックアップボイス、略してピクボ)はアニメ声優情報誌。 

hm³増刊として創刊しました。 

音楽専科社の状況

負債は4億円以上。

98年9月期の年売上高は約21億円でしたが近年、1/10の2億5000万円まで減少したそうです。

雑誌業界全体の落ち込み

音楽専科社の「SHOXX」や「ピクボ」に限らず、雑誌業界全体が落ち込んでいます。書籍や雑誌の売り上げは、2015年まで12年連続で減少しているのです。

書籍・雑誌の売上高の減少

  •  2014年(年間)         前年比4.5%減
  •  2015年(1~11月期) 前年同期比5.2%減 

雑誌の売上高だけ見ると

  • 2011年には9843億円。その後も下落が続いている。
  • 2015年 雑誌8.2%減 (月刊誌6.9%減、週刊誌13.4%減)   

 上記は、出版科学研究所の「出版月報」2015年12月号のデータですが、日本出版販売の決算発表によると、2015年の雑誌の売り上げは、前年比9.9%現で2435億円だったそう。

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雑誌売り上げ減少の原因   

 これだけ雑誌の売り上げが減少し続けているのは、インターネットやスマートフォンの普及が原因と見られています。雑誌を読むより、SNSやゲームに時間を費やす人が多いのです。

 実際、電車で雑誌を読んでいる人は少数です。かつては新幹線に乗る時に雑誌を買っていた人も、今はスマホ・タブレットで済ませているでしょう。

 私は、2000年頃、大手出版社の雑誌編集部でアルバイトをしていましたが、その時でも「電車では、皆、雑誌ではなくケータイをいじっている」と、編集部の人たちは話していました。その後、その編集部の雑誌は休刊してしまいました。

 ただ、電子出版物の売り上げはそれなりに伸びています。本や雑誌が、紙からデジタルに取って代わられていると言えますね。

SHOXXやピクボはどうなるのか

現時点では、明確にされていません。

ファンからは、どこか別の出版社に引き継いでもらいたいという声が多いですが、難しいでしょうね…。

まとめ

雑誌を買わなくなった

私は毎月、ファッション雑誌を買っていましたが、雑誌は買いに行くのが面倒で、かつ捨てるのも面倒だったので、デジタル版で購入するようになりました。電子版は、付録がつかないのが残念ですね。

また、ジャニーズのタレントなどは肖像権の問題から、デジタル版では、写真が掲載されません。私はとくにファンではないのでいいですが、ファンだったら、写真を見たいですよね。

デジタル版だとちょっと目が疲れるという難点もあったのと、今は飽きたので買わなくなりました。

コンパクトさが大事

電車や出先で、圧倒的にスマホが優位なのは、コンパクトな点です。女性向けファッション誌は数年前から、コンパクトなバッグサイズ版も発売されていましたが、スマホのサイズにはかないません。スマホは、いつでもどこでも見られる手軽さがあります。

雑誌の今後の生き残り方法は

スマホやタブレットの普及で、雑誌の売り上げは減少する一方です。雑誌は、今後はデジタル版として、頑張っていくのが唯一の生き残り方法かと思います。ですが、インターネットには無料で楽しめるネットニュースなどもあるので、わざわざお金を出してデジタル版を買ってもらうハードルは高いです。

 小さな出版社には難しいでしょうけれど、東洋経済が運営するニュースサイト「東洋経済オンライン」のように、無料で全記事を読めるサイトを作り、広告収入を得るというモデルも良いかも知れません。

 小学館という大手出版社ですら30億円超の赤字を計上したのですから、小さな出版社は、今後ますます厳しくなっていくでしょう。スマホによって、便利になる反面、消えていくものも多いですね…。

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