山守(やまもり)とは何?奈良県吉野の林業映画Vision(河瀬直美監督)

公開日: : 芸能

河瀬直美監督の映画「Vision」
永瀬正敏さんや岩田剛典さん演じる「山守」(やまもり)という言葉が気になりました。
 
作品紹介を読むと「山守の男・智(永瀬)」というように紹介されていましたが、意味がすぐわかりましたか?
私は、「山守」とは何なのだろうか?と思いました。

 

「山守」とは何なのか

「山守」とは職業なのでしょうか?
「山守」とは、字を見ると、単純に「山を守っている人」かなという印象を受けますね。
林業に携わる人というのは、なんとなくイメージできます。
  
守は、調べてみると、山林を所有する資産家から委託されて、森林の管理や保護をする職業です。
山守によって、所有者が不在でも、山の管理ができるわけです。
 
「山守」が職業なのだとしたら、多くの人は、「林業に携わる人」のことは皆「山守」と呼ぶと思ってしまうのではないでしょうか。
 
しかし、「山守」という制度は、奈良県の吉野林業独特のものなのです。

吉野林業とは

桜の名所として有名な奈良県吉野郡吉野町。

吉野杉の産地としても知られていて、吉野林業は500年以上の歴史があります。 

吉野林業は、吉野川流域の川上村、黒滝村、東吉野村で展開されています。

この地域は、雨が多く、杉の育成に適しているのです。

 吉野では、他の地域より密に植栽し、3~4倍の本数を植えます。

そうすることで、成長のスピードを抑えて年輪を密にし、木の元と末の太さを同じにし、間伐を繰り返して、200年以上の年月をかけて育てます。

16世紀初頭から始まったこの人工林の造成は、18世紀になると、酒樽などに販路が拡大。

そんな中、山林所有者が経済苦況から、庄屋などに山の所有権を買ってもらうことが始まります。

そして、吉野独特の、「山守」と「山持ち」からなる山守制度が誕生しました。

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山守は世襲制

「山守」は世襲制です。
山守を200年以上続けている家系の人も居ます。
広大な土地をもつ山持ちに対しては、何十人もの「山守」が居たこともあるようです。
 
現在は担い手が減ったため、一般募集もしていますが。
その場合は、「山守募集」というより「林業従事者募集」とか、林業関係の会社の社員募集ということになるのでしょう。
 
 

山守に関するSNS上の投稿など

 

林業関係の映画 

林業つながりでは「ウッジョブ」も面白い映画で、実情をよく描いていましたね。
林業についての知識がなくても笑える面白い映画でした。
ウッジョブの舞台は、奈良県吉野ではないので、「山守」の話ではありませんが。

dTVで見られます。

 
河瀬直美監督の「Vision」は2018/6/8公開されます。

林業関係のマンガは?

簡単に調べた範囲では、見つけられませんでした。

様々なスポーツや職業を題材にしたマンガは数あれど、林業を題材としたメジャーなマンガはありませんよね。

あってもいいような気もしますが、難しいんでしょうかね。

そんなに、いろんな出来事はなさそうですしね…。

あるとしたら、ウッジョブみたいに研修とか、そういう感じでしょうか。

最後に

調べてみて、山守という職業が、吉野独特のものだというのがわかりました。

林業従事者については「そまびと」という表現もありますが、山守のほうがかっこいい気がします。

岩田剛典さんも山守になりたいと語っているぐらいなので、映画が公開されたら、山守について注目されるかもしれませんね。
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